8月7日(日)、栃窪の薬師堂に祀られている木喰仏(もくじきぶつ)の見学会を開催しました。
午前9時、薬師堂に集まったのは、会員と一般参加者15人。
お堂を管理する地元世話人の方々のご好意で、全員がお堂の中に上がることができました。
木喰仏とは、18世紀末に全国を遊行しながら千体以上もの仏像を彫り続けた木喰行道(もくじきぎょうどう)上人が彫った仏像のことです。上人は、56歳安永2年(1773)の時に日本一周千体仏成就の廻国修行を開始し、文化元年(1810)に93歳で亡くなるまで、全国を旅し、各地に仏像を残しました。
木喰上人は、栃窪に安永9年9月から翌10年2月まで5ヶ月間滞在し、弟子の白道上人と一緒に、栃窪の人々に世話になりながら、多くの彫刻を作りました。
薬師堂に祀られているのは、薬師如来坐像と脇持仏の日光・月光菩薩立像、そして十二神将像の15体です。木喰上人の初期の代表作といわれ、後の「微笑仏」といわれるような表情はまだあまり見られませんが、商人ならではの曲線を生かした素朴な味わいが良く出ています。
これらの像は、栃木県有形文化財に指定されています。
この日の見学会では、歴史文化部会の福田純一が資料をもとに、解説をしました。
参加した方々は、普段は見ることのできない貴重な木喰仏をじっくりと鑑賞し、満足できたと思います。なお、この日は年3回行われる開帳の日でした。次回の開帳は来年の1月8日(日)の午前9時です。