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鹿沼学舎「鹿沼城の歴史探訪と岩山山麓の自然観察レポート

鹿沼学舎「鹿沼城の歴史探訪と岩山山麓の自然観察レポート

 鹿沼には中世期の城館の跡が幾つかあります。その1つが,現在の御殿山を中心に,西に坂田山,北に岩上山,南に中央小学校,そして東に今宮神社に及ぶ鹿沼城です。今回は,午前中に,御殿山にて安土桃山期の鹿沼城の立地と遺構について学び,次いで雄山寺に移動し,鹿沼城主・壬生義雄の墓前にて,戦国時代の鹿沼城を取り巻く戦況に関する講義を受けました。昼食を挟んで,さらに,岩山山麓にて植物等の観察を行い,その後,希望者は岩山の三番山南の亀の子岩を登頂しました。

   日  平成24年5月20(日)

2 活動時間・概要

 (1)  9時30分 鹿沼市役所駐車場に各自集合

 (2) 9時40分~11時45分

     ① 御殿山にて鹿沼城跡に関する講義(講師:福田純一氏)

② 雄山寺に徒歩で移動

③ 鹿沼城主・壬生義雄の墓前にて講義(講師: 〃 )

 (3) 11時45分~12時45分 雄山寺にて昼食

 (4) 12時45分~15時  岩山山麓の植物等観測,その後,岩山の三番山亀の子岩登頂(希望者) (指導者は山口龍治氏・阿部良司氏)

 (5) 15時30分 鹿沼市役所駐車場に戻り解散

3 参加者 25名(会員17名,鹿の会2名,会員外5名,鹿沼観光物産協会1名)

4 参加費(資料代・傷害保険等) 鹿沼学舎会員等は大人100円,子ども60円

                 一般の方は大人400円,子ども60円

5 活動内容と学び

(1)鹿沼城の歴史探訪

 鹿沼市役所駐車場に集合した一行は、最初に御殿山公園へ向かいました。御殿山は、全体が戦国時代の鹿沼城の中心部ですが、明治以降の開発により、その多くが破壊され、当時の姿を想像するのが難しくなっています。今回の見学会では、今に残る城の遺構を見学し、当時の姿を思い描きつつ、戦国時代の鹿沼と城主であった壬生氏について学びました。

市役所脇の道を登っていき、公園入り口から左へ入った駐車場のあたりが、二の丸跡になります。ここで鹿沼学舎事務局長の福田純一が、鹿沼城と壬生氏の歩みについて、資料をもとに解説しました。

 
ここには、大正時代以降、鹿沼町の手で御殿山が次第に公園化され、城の遺構が破壊されていったことを示す記念碑があります。御大典記念井戸の碑、桜増殖記念碑、ツツジ植樹記念碑です。次に武道館弓道場脇から、堀跡を見学しました。

ここから北西部にかけて、堀跡が残っています。堀の底を歩いて見学することができます。

このように深い堀が、公園中心部の北西側を取り囲んでいます。この辺が城跡の遺構が最もよく残っている場所です。このあと一行は公園内に戻り、忠霊塔のある高台へ向かいました。ここには近代の戦争に関する記念碑が集まっています。

 日清戦争の記念碑

南側にあるのが日清戦争の記念碑(凱旋碑)です。上都賀郡内から出征した兵士や関係者の名前が刻まれています。北側には日露戦争の記念碑(忠魂碑)があります。

日露戦争の記念碑(忠魂碑)
御殿山を一周した一行は、次に西鹿沼町の雄山寺(おうざんじ)へ向かいました。ここには壬生氏最後の城主であった壬生義雄の墓があります。
 
 
墓地の一番奥にある供養塔です。ここで鹿沼城と壬生家の最後について解説を受けました。

(2)岩山山麓の植物等の観察と三番山南側の亀の子岩登頂

  ア 概 要

    雄山寺で昼食をとった後,植物観察の希望者16名が岩山山麓を目指し,鹿沼の原風景が残る一般道を歩む。間もなく,住宅の裏に多数の白花を下向きに付けたハクウンボク(エゴノキ科の落葉高木)が目に留まり,山口氏の説明を受ける。また,クロアゲハとクビキリギスを採取し,クロアゲハの春型・秋型の大きさの違い,クビキリギスの生態(後述)も教えていただく。

    その後,深緑の岩山の麓の平地道を,野辺の花を楽しみ,薫風に包まれて歩く。「こんなにいい所があったのね」と癒しを声にする方も。小川の脇にキショウブの群生,道端に陽に輝くコバンソウ,オオジシバリなど,阿部氏や山口氏の説明を受けながら歩く。

 

清水寺付近を歩く

   岩山山麓を流れる小藪川は,十年程前は川底が茶褐色(鉄分の酸化?)でしたが,現在は魚が住むほどになり,カワムツ,ドジョウなどの魚影に心が踊ります。また,小藪川にしだれるように咲くコゴメウツギ,ツクバネなどの白花にはハチが密を求めて飛び,受粉を助ける。一方,休耕田に生えるチガヤ(後述)の群生を眺めるご婦人は,「子どもの頃に食べました」と,想い出を語る。

    その後,日吉神社を経由して岩山三番山の登山口を目指し,林道を一列縦隊で進む。所々で,ユズリハ,ツクバネ,テイカカズラ,ツルアリドウシ(後述),タラヨウ(後述)などの説明を聴き,木漏れ日を受けながら,「何年ぶりかしら」「地元にいても岩山は初めて」「近くにこんな山があるなんて,鹿沼は恵まれているな~」などの声を耳にし,登山道の入り口に到着。

    その後,健脚は三番山南の亀の子岩に登頂。ここから鹿沼市街や田園風景とそれを包む山々を眺め,岩山のロッククライミングのメッカたる所以を理解,安全第一で下りる。

岩山の登り口で記念撮影

    約半日の行程ながら自然を満喫し,植物等の魅力や不思議を体感できました。

  イ 出会った主な植物・昆虫(五十音順)

  (ア)岩山山麓で出会った主な植物と昆虫

     植物:アカツメクサ,アメリカフウロ,オオジシバリ,ガマズミ,カラスノエンドウ,カラムシ,キショウブ,コゴメウツギ,コバンソウ,シロツメクサ,ゼンマイ,チガヤ,ニワゼキショウ,ノビル,ハルジオン

     昆虫:クロアゲハ,クビキリギス

  (イ)岩山三番岩までの林の中で出会った主な植物

     アオハダ,アラカシ,イワギボウシ,オトコヨウゾメ,クロモジ,ゴンズイ,シキミ,シシガシラ,タラヨウ,ツルアリドウシ,テイカカズラ,ナガバノコウヤボウキ,バイカツツジ,マムシグサ,ユズリハ

   ウ 担当者の学び

①  クビキリギス(キリギリス科の昆虫)

     緑色または褐色で口の周囲が赤い。指に噛みつくと離さず、無理に引っ張ると首が抜けるのでこの名が付いたとか。湿度の高い所で育つと体色は緑色、そうでない環境なら幼虫は緑色であっても褐色の成虫になる。

   ② チガヤ(イネ科の多年草)

     日当たりのよい空き地に生え、白い穂を出す。チガヤはサトウキビに近く糖分を蓄える。外に顔を出す前の穂は甘く、万葉集に穂を噛む記述がある。

   ③ カラムシ

茎の皮から衣類、紙、漁網等に利用できる丈夫な繊維が取れる。日本書紀によれば,持統天皇が詔を発して栽培を奨励したという。

中世の越後は有数のカラムシの産地で、戦国大名・上杉謙信は衣類の原料として莫大な利益を上げた。また,上杉氏の転封先であった米沢藩では収入源の1つであった。

④ シロツメクサ・アカツメクサ(クローバーの和名)

明治期に家畜の飼料として西洋から取り入れられた。根粒菌が窒素を固定することから土壌改良にも使用。江戸時代、オランダから長崎にガラス器を運ぶ際,傷みを防ぐため,この草を乾燥して詰めたことから,この和名が付く。

⑤ タラヨウ(モチノキ科の常緑高木,雌雄異株)

高さ20mに達し、幹は灰白色。葉は厚く、20㎝程の長楕円形,その縁は鋸のような細かいきざぎざ。花は淡黄緑色,果実は球形径約8㎜で赤く熟す。

葉の裏面に傷をつけると黒変し,長期に残るので、経文を書くインドの多羅葉に例えてこの名がある。戦国時代にこの葉に字を書いて連絡し合ったという。これがはがき(葉書)の語源で、郵便局のシンボルツリーでもある。材は器具材とし、樹皮からとりもちをとる。寺院や庭に普通に栽培される。

⑥ ツルアリドウシ(アカネ科)

温暖な低地に育ち,6月頃に茎の先端に白い小さな花を2つ咲かせる。でも,果実は1つで,夏に赤く熟す。果実の頭には花の跡である穴が2つ見える。つまり,2つの果実が合一している。

自然部会, 鹿沼学舎

春の自然観察会レポート

春の自然観察会レポート
桜をバックに記念撮影

1 日  時 平成24年4月15日(日)9時00分~12時00分

2 活動概要

① 9時00分 鹿沼市見笹霊園の駐車場(見笹石材店の西隣側)に集合

② 9時00分~12時00分

○ あいさつ・諸連絡の後,黒川の見笹橋から下遠部まで植物等の観察

○ 指導者は山口龍治氏,自然部会副部会長・阿部良司氏,

3 主な観察植物等(五十音順)

アブラチャン,アミガサタケ,ウリカエデ,エイザンスミレ,オオイヌノフグリ,オクザイムゲ,カキドウシ,カキドオシ,カタクリ,キクザキイチゲ,キブシ,クロモジ,コオニタビラコ,スズメノテッポウ,セイヨウタンポポ,タチツボスミレ,ナズナ,ニリンソウ,ニワトコ,ネコノメソウ,ヒメオドリコソウ,ムクロジ,ヤマエンコグサなど,他にウスタビガの繭

4 参加者数 鹿沼学舎会員10名。他に,鹿沼北小学校北光自然観察クラブ

瑞光寺のニリンソウの群生

 

5 参加者の感想

(その1)風邪でちょっと無理かなと思いながらも,今日という同じ日は二度と来ないと意を決して参加して大正解でした。風邪なんて何のその楽しかったです。

カタクリとエイザンスミレ,ニリンソウがひっそりと咲いているのがいいですね。知らなかった植物の名前をたくさん教えていただき得した思いです。足元の枯葉の中からヤママユを見つけた時の何とうれしかったこと!子どもの頃,山歩きの好きな父がヤママユを取って来てくれたのですが,あの時のあの鮮やかな緑色を今でも忘れないでいましたから。機会があったら,あの時のような抜けがらでない本物を見つけに行ってみたいものです。

ムクロジの実,はじめて見ました。実生で発芽するか挑戦してみます。皆さんありがとうございました。

(その2)下遠部は知り合いの出身地という事もあり関心がありましたが,なかなか出向く機会もなかったのでよいタイミングでした。

私の子供の頃の黒川府中橋付近は石ころ砂地が広がり,楽しく夏の川遊びをしたものです。それがいつの頃からかコンクリート製の巨大用水路のような川となり,あの川を知っている人も少なくなってしまったと,ちょっとセンチになっていました(自分が歳をとったのです)が,今回懐かしい風景に出会え嬉しかったです。

虫や蝶,植物の解説もわかり易く,資料もお骨折り頂きました。長年の疑問も解けスッキリしました。

会員の皆様も良い方ばかりで,楽しい時間をありがとうございました。

6 担当者の感想と学びの概要

前日の雨で空のダストは一掃され,当日は抜けるような青空。黒川堤のソメイヨシノは七分咲きの花衣,観察路にたたずむ野草もお洒落に花化粧,まさに春爛漫の自然観察でした。この日の観察植物は前記3のとおりですが,その中から,花の印象とその植物の特徴などを簡単にまとめてみましょう。

① 田の畦にオオイヌノフグリの群生を発見,コバルトブルーの可愛い花は江戸小紋に優る美しさ。和花と思いきや,ヨーロッパ原産の帰化植物。

 

② 林の道の傍らに見つけたエイザンスミレ,3つに分かれた葉より頭1つ高く淡紅色の花を付け,微風に揺らぐ。エイザンの名は比叡山にちなむ。

③ ニリンソウ,1本の茎から2輪ずつ花茎が伸び,白い萼片をもつ花をつけることからこの和名がつく(まれに1輪,3輪もある)。根茎で増え,群落を成す。根茎は漢方薬として用いられ,若葉は山菜として食用とされる。しかし、有毒植物であるトリカブトの若葉に似ている。トリカブトを食すと死に至ることがあり,特段の注意が必要。

④ キクザキイチゲは白い花を一輪つけ,イチリンソウと見紛う多年草。キンポウゲ科イチリンソウ属,見紛うのは当然のこと。一方,花が菊に似ていることからこの名がついたと聴く。

⑤ 長楕円形の葉に,薄紫の花を下向きに咲かせるお馴染みのカタクリ。発芽から7,8年は1枚葉、鱗茎が大きくなり2枚目の葉となって花をつける。鱗茎の分球はまずなく,旧鱗茎の下に鱗茎が作られる。そのために鱗茎は深いところにある。以前は,この鱗茎から抽出したデンプンを片栗粉として調理に用いた。

なお、カタクリは自家受粉による種子の形成は殆ど行われない。吸蜜するハチなどの昆虫を介して受粉される。

カタクリの花

⑥ ムクロジ(別名セッケンノキ),熟した果実は果皮が黄褐色の半透明、中に球状の黒い種子を包む。果皮はサポニンを含み、水を泡立てる働きがあることから洗

濯などに利用。黒い種子は堅く、よく弾むので羽子板の羽の重りとした。

[追記]林の中で2人のご婦人が見つけたウスタビガ

の繭,薄緑と黄色がかったものでいずれも美しい。この山繭で反物を織る発想は理解できる。

繭からの羽化は秋で,今はさなぎの抜け殻が詰まっている。それにしてもきれいな繭で,見つけた2人は大切に持ち帰りました

事務局, 鹿沼学舎

鹿沼城歴史探訪と岩山(三番岩)散策

鹿沼には、中世期の城館跡が多数あります。そのひとつが、現在の御殿山を中心に、西に坂田山、南に中央小、東に今宮神社にまで及ぶ鹿沼城址です。今回は、御殿山で鹿沼城の威光を学び、次いで雄山寺で最後の鹿沼城主・壬生義雄の墓所を見学します。その後、岩山山麓で植物や野鳥などを観察し、岩山(三番岩)に登って、鹿沼市が市の概況を眺望したいと考えています。

と き 平成24年5月20日(日) ※雨天中止
活動時間・内容
 9時30分 鹿沼市役所駐車場に各自集合
 9時40分~11時30分
       ①御殿山で鹿沼城址の見学と講義
       ②雄山寺(西鹿沼町)に徒歩で移動
       ③雄山寺で、最後の鹿沼城主・壬生義雄の墓所見学・講義
 11時45分~13時30分
       岩山山麓へ徒歩で移動、植物・野鳥などの観察
       昼食(各自用意)、岩山に登頂しない方はここで解散
 13時40分~15時45分
       日吉神社から登山道を通って岩山(三番岩)登頂(健脚者のみ)
 16時頃  鹿沼市役所駐車場に戻り解散

募集人員 25人程度
服装・携行品 履きなれた靴(岩山登山者はキャラバンシューズが望ましい)
       飲み物、昼食、帽子、軍手、タオル、雨具
参加費(資料代・傷害保険等) 鹿沼学舎会員は大人一人100円、子供60円
               会員以外の方は大人一人400円、子供60円
申し込み 
 5月15日(火)までに、参加希望者全員の氏名・年齢・性別・住所・電話番号と、三番岩登頂の有無を添えて、豊田までお申し込みください。
 ※豊田 0289-62-4528
     メールtoyoda-t@bc9.ne.jp