今回は鹿沼の自然探索フィールドを離れ、鹿沼自然観察会のご案内で、自然の宝庫である奥日光の戦場ヶ原と小田代原に足を運びました。
今年の関東の梅雨入りは、いつもより早い5月29日。そして、ズミの花の見頃は、例年なら6月中・下旬です。でも、6月2日の奥日光は天候に恵まれ、また、鹿沼自然観察会の予測通り、多くの夏鳥が囀り、ズミは赤い蕾や白い花弁で身を包んでいました。参加者のどなたもが感嘆の声をあげ、その素晴らしさを満喫しました。
1 開催期日 平成25年6月2日(日)
2 参加者数 12名
3 日程・活動内容・学びの概要等
9時に日光戦場ヶ原三本松駐車場に集合。赤沼駐車場で事前説明を受ける。
9時30分~13時30分
① 赤沼から湯川に沿って遊歩道と木道を歩む。所々で、壮大な戦場ヶ原や雄大な男体山を眺める。草原に点在するワタスゲや咲き始めのズミの彩りに感嘆。水量少なめの泉門池に至って、そこで休憩
(主な学び)ノビタキ、アオジ、コサメビタキ、ホオアカ等の姿を双眼鏡で捉え、囀りに耳を傾ける。
遊歩道脇の太めの立木の高見に、クマが木の実などを食べる際に座ったクマ棚を見つける。柔らかめの樹木に鳥の巣穴を発見(アカゲラの巣か?)。また、本年4月6・7日の低気圧通過・暴風雨のため、カラマツ等の巨木が数本が倒れていた(湿地では根が深く張れないためか?)。
壮大な戦場ヶ原
② 休憩の後、光德入口方向に進んだ木道で男体山の火山の説明を受ける。その後、視界360度の戦場ヶ原のパノラマと日本百名山の1つの男体山の勇姿を楽しみながら昼食・談笑。
(主な学び)成層火山らしい円錐形(標高2,486m)の男体山。最後の噴火は約14,000年前とされていたが、噴出物の調査から約7,000年前の噴火であると確認され、活火山に分類される。中禅寺湖、戦場ヶ原、小田代原は、この約7,000年前の噴火により湯川が堰き止められてできたもの。(成層火山とは、ほぼ同じ火口からの複数回の噴火により、溶岩や火山砕屑物などが積み重なり形成された円錐状の火山のこと)
戦場ヶ原の先の右手が男体山
可憐なワチガイソウ
③ 昼食後、泉門池経由で林道を通り、鹿の進入予防柵の回転ゲートを抜けて小田代原に向う。小田代原ではシラカンバの「貴婦人」を遠くに眺め、併せてホザキシモツケヤ、ノアザミの今夏の群生を期する。その後、ハイブリッドバスに乗り、赤沼に戻る。以上、約4時間の行程でしたが、誰もが幸福感を味わったのではないでしょうか。
(主な学び)エゾハルゼミの大合唱を聞く。道すがら、動物の体毛が混じるフンを見つける(キツネか?)。サンショウクイ(囀りの特徴を教えていただく)、カッコウ、ウグイス、シジュウカラ、コノハズク等の野鳥の囀りに耳を傾ける。林道の所々に可憐なワチガイソウ(ナデシコ科の多年草、5枚の花びらに濃い紫色の雄しべ)を見つけ、写真に収める。(以上、文責豊田)
参加者の集合写真